相続手続で迷いやすい遺言・借金・不動産の順番
2026/09/13
相続手続で迷いやすい遺言・借金・不動産の順番
相続相談では、「何から始めればよいですか」と聞かれる場面が多いです。相続手続は、遺言、不動産、預貯金、借金、相続放棄、遺産分割がからみます。順番を間違えると、家族の話し合いが進みにくくなります。中村敦司法書士事務所として、まず確認したい流れをやさしく整理します。
目次
- 遺言と財産を先に見る理由
- 借金があるときの相続放棄の考え方
- 遺産分割から相続登記へ進む整理
- 相続相談前に残す家族メモ
1. 遺言と財産を先に見る理由
相続手続の入口は、遺言の有無と財産管理の確認です。遺言書があると、遺産分割の進め方が変わることがあります。
確認したいものは、たとえば次のような資料です。
- 自筆証書遺言や公正証書遺言の有無
- 預貯金通帳、証券会社の書類、保険関係の書類
- 固定資産税の通知書や登記事項証明書
- 借入金、保証人、未払い金の資料
「家だけ分かればよい」と思っていても、実は借金や保証が見つかることがあります。だから、相続相談の前には、プラスの財産とマイナスの財産を分けて見ます。
生前贈与がある場合も、家族で話題にしておくと安心です。誰が、いつ、何を受け取ったのかを紙に書くと、後の遺産分割で確認しやすくなります。
2. 借金があるときの相続放棄の考え方
借金が多いかもしれないときは、相続放棄を急いで考える必要があります。相続放棄は、原則として相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所で手続します。
ただし、財産を使ってしまうと、相続を受け入れたと見られるおそれがあります。たとえば、預金を引き出して生活費以外に使う、車を売る、不動産を処分する、といった行動には注意が必要です。
迷うときは、次の順で整理します。
- 請求書や督促状が届いていないか見る
- 通帳の入出金を確認する
- 不動産や車など売れる財産を調べる
- 相続放棄をする人、しない人を家族で分けて考える
相続放棄は、気持ちだけで決まるものではありません。家庭裁判所への申述という手続が必要です。
3. 遺産分割から相続登記へ進む整理
遺言がなく、相続人が複数いる場合は、遺産分割協議をします。これは、「誰がどの財産を引き継ぐか」を家族で決める話し合いです。
不動産がある場合は、遺産分割協議のあとに相続登記へ進みます。相続登記には期限があります。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内が目安になります。
相続登記でよく必要になる資料には、戸籍、住民票、固定資産評価に関する書類、遺産分割協議書などがあります。家族の人数が多いほど、戸籍集めに時間がかかることがあります。
4. 相続相談前に残す家族メモ
相続相談の前に、完璧な書類をそろえる必要はありません。まずは家族で分かる範囲をメモにします。
- 亡くなった方の氏名と最後の住所
- 相続人になりそうな人の名前
- 不動産、預貯金、借金の有無
- 遺言書作成や生前贈与の心当たり
- すでに届いた役所や金融機関の書類
相続は、早く終わらせることだけが目的ではありません。遺言、相続放棄、遺産分割、相続登記を順番に見ることで、家族の不安は小さくなります。迷ったときは、資料を一つの封筒にまとめ、相続相談で確認できる形にしておくと進めやすくなります。
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中村敦司法書士事務所
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