遺産分割協議書から進める相続登記と財産管理
2026/08/13
遺産分割協議書から進める相続登記と財産管理
相続手続は、思ったより順番が大切です。政府広報オンラインでも、遺産分割協議が成立した後に遺産分割協議書を作り、「誰が、どの財産を、どの割合で相続するか」を書く流れが示されています。中村敦司法書士事務所としても、相続相談ではまず遺言の有無、相続人、財産管理の状況を落ち着いて確認することが大切だと考えています。
目次
- 遺言と相続人を先に確認する理由
- 遺産分割協議書で相続登記を止めない工夫
- 相続放棄と生前贈与を見落とさない確認
1. 遺言と相続人を先に確認する理由
相続手続は、死亡届などの届出の後、遺言書の確認、戸籍収集による相続人の確定、財産調査へ進む流れが一般的です。
ここで遺言を後回しにすると、話し合いをやり直すことがあります。たとえば、自宅を長男が受け継ぐ話で進めていたのに、後から遺言書作成済みの書類が見つかる場合です。
確認したいものは次の通りです。
- 自筆証書遺言や公正証書遺言の有無
- 戸籍で分かる法定相続人
- 預貯金、不動産、借入れなどの財産
- 通帳や権利証の保管場所
相続相談では、「何を分けるか」より先に「誰が関係者か」を固めます。家のそうじでも、先に持ち主を確認しないと片づけられない物があるのと同じです。
2. 遺産分割協議書で相続登記を止めない工夫
遺産分割は、相続人全員で財産の分け方を決める話し合いです。協議がまとまったら、遺産分割協議書に内容を残します。
大切なのは、文章をあいまいにしないことです。不動産なら、登記簿の内容に沿って特定します。「実家を兄へ」だけでは足りないことがあります。土地と建物が別々に登記されている場合もあるためです。
相続登記へ進む前に、次を確認します。
- 不動産の表示が登記簿と合っているか
- 相続人全員の合意がそろっているか
- 預貯金と不動産の分け方が矛盾しないか
- 財産管理を誰が担うか決まっているか
私たちは、相続登記だけを切り離さず、遺産分割と財産管理を一続きで考えることを大切にしています。
3. 相続放棄と生前贈与を見落とさない確認
相続放棄は、原則として相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する手続です。借入れが多いかもしれない場合は、遺産分割協議の前に確認が必要です。
また、生前贈与があった場合、家族の受け止め方が分かれることがあります。「すでにもらった財産」と「今回分ける財産」を混ぜて考えると、話し合いが進みにくくなります。
相続は、遺言、相続放棄、生前贈与、財産管理がつながっています。中村敦司法書士事務所では、相続相談の場で順番を一つずつ整理し、ご家族が次に確認すべき書類や手続を分かりやすくお伝えする姿勢を大切にしています。相続手続で迷ったら、まず遺言書と財産の一覧から確認してみてください。
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